【受験者向け】FP3級の難易度・取得のメリット・勉強方法・勉強時間・おすすめの参考書について解説

金融資格を保有すればマネーリテラシーが身につくだけでなく、企業によっては昇格条件になっていたり奨励金制度の対象になるなど人生における様々なステージで有利に働くとされています。
そのなかでも入門として多くの人に受験されている資格がFP3級です。
今回はFP3級における難易度・取得のメリット・勉強方法・勉強時間・人気テキストについて解説していきます。
目次

FP3級とは

まずFP3級とは何かについて説明いたします。日本FP教会によると、FPとは下記のように明示されています。

FPとは

ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下FP技能検定)は、厚生労働大臣より職業能力開発促進法第47条1項の規定に基づき指定試験機関の指定を受けて日本FP協会が実施する国家検定です。

出典:https://www.jafp.or.jp/exam/about/

厚生労働大臣より指定を受けた機関が実施する国家検定ということが分かりますね。FP3級は資格の中でも信頼性や権威性の高いものということになります。

FP3級取得のメリット

多くの人に受験されているFP3級ですが、実際に取得するメリットについて記載していきます。

FP3級取得のメリット① 自身のライフプランニングに役立つ

FP3級は、税金や保険など個人資産の運用方法について学んでいく資格となっています。これらは私たちの生活と縁の深いものとなっており「知ってるか知らないか」だけで生活に影響することもあります。

法人会計に関する簿記や証券アナリストなどの他資格と比較しても、実生活に直結しやすいのがFPを取得するメリットかと思います。

FP3級取得のメリット② 入社後の昇格や資格手当に活かせる

FP3級取得のメリットとして、入社後にFPを保有していることが有利になるケースもあります。私の勤務していた金融機関では昇格の条件に「FPを保有していること」が必須化されていました。

また、こうした資格を持っていることが理由に資格手当として毎月給与が多めに振り込まれている会社もあるようです。金融機関に入社予定の方は、特にFPを保有するメリットが大きいかと思われます。

FP3級の試験内容

FP3級は筆記試験と実技試験の2種目から成り立っています。まずは筆記試験の試験内容から確認していきましょう。

筆記試験について

筆記試験では下記の6分野から出題されています。

筆記試験の試験内容
  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用
  4. タックスプランニング
  5. 不動産
  6. 相続・事業承継

出典:https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_03/files/saimoku_3fp.pdf

金融資産運用や不動産など幅広いテーマで出題されていますね。どれも個人資産に関わるテーマになっているため既に知っている知識や、人生のどこかで身につける必要がある内容が多いことも想定されます。

FP3級の筆記試験はマークシート形式で60問中36点以上になっているため、取り組みやすい仕様になっています。

実技試験について

実技試験では下記の3分野の中から1つを選択して受験することになります。

実技試験の試験内容
  1. 個人資産相談業務
  2. 保険資産顧客相談業務
  3. 資産設計提案業務

出典:https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_03/files/saimoku_3fp.pdf

実技試験もマークシート形式で20問の出題になっているので、取り組みやすい仕様になっています。

実技とはいっても出題内容が「相談又は提案」を想定したものとなるだけで、マークシートであることに変わりないようですね。

FP3級の難易度

FP3級の難易度について説明していきます。

一般的にはFP3級の難易度は「低い」とされており金融知識を習得する上での入門資格のような立ち位置になっています。

ここではFP3級の難易度が「低い」とされる理由について深掘っていきましょう。

理由①合格率が高いから

日本FP協会が発表する2023年5月のFP3級の合格率を見てみると、

学科試験で88,25%の合格率、実技試験でも86,83%の合格率になっています。

受験した人の9割近くが合格している試験ということになります。合格率の観点で見るとFP3級の難易度は高くないと言えそうですね。

必要な勉強時間が短いから。

FP3級に合格するための勉強時間はおよそ80時間から150時間と言われています。

筆記試験と実技試験合わせると7項目あるため、各項目ごとに約15時間ほど必要になる計算となります。

FP2級では250時間ほど必要と言われており、他資格と比較しても短い時間であることが理由となっていそうです。

FP3級の勉強方法

ここではFP3級の勉強方法について説明していきます。

FP3級の学習フロー

FP3級を学習するうえで、スムーズな順序があるのでこちらをおさえていいきましょう。

FP3級の学習フロー
  1. 参考書で出題内容を広く浅く習得していく。
  2. 過去問題集で実際に解いてみて問題を解くためのコツを身につける。
  3. 合格ライン(6割以上)に到達できるよう1と2を反復する。

まずは参考書で出題内容を広く浅くで習得していきましょう。FP3級の参考書を開いて初めて知る金融用語も多いかと思いますが、1ページ目からコツコツ暗記をはじめているとキリの無い状況になってしまうため、なるべく各項目の大まかな内容を掴むことに意識を向けましょう。

参考書を1周できたら、さっそく過去問題集で実際に解いてみましょう。FPは頻出パターンの問題や参考書だけでは分からない解法もあるため、実際に解いてみてコツを掴んでいくことが大事です。

過去問題集で分からなかったところや理解の浅かった部分は、再度参考書で知識を補完していきましょう。これを繰り返して過去問題集で安定的に合格ラインが取れるようになれば、試験本番でも安心して臨めるのではないでしょうか。

FP3級の勉強のポイント

下記に私の経験を基にした、FP3級合格のためのポイントも記載していきます!

FP3級のポイント① いきなり暗記しようとしない

FP3級のコツですが、いきなり暗記しようとしないことが大切です。金融用語には「意味の似ている言葉」や「意味を理解しないと頭には入らない用語」など暗記するうえで障壁になるものが多いと言った特徴があります。

例えばPER(株価収益率)やPBR(株会純資産倍率)は誰もが最初に頭がごちゃごちゃになるポイントですね。こうした用語はきちんと意味を理解しないと丸暗記できないような言葉になっています。

こうした理由から、上述したようにまずは内容を掴んでいくことから始めることが大事なのです。

FP3級のポイント② 7割程度を狙って対策していくこと

FP3級の合格ラインは6割以上になっていますが、筆記試験と実技試験ともにそれぞれの点数は非公表となっております。そのため、正答率が6割以上でも実際の配点次第では試験に落ちてしまう可能性もあります。

こうした理由で落ちてしまうのは勿体ないので、なるべく点数に余裕をもって合格を狙う設計をしましょう。

FP3級の勉強におすすめの参考書

次に、FP3級の対策に勉強におすすめの参考書を紹介いたします。

 

まず一つ目が【’23~’24年版 ユーキャンのFP3級 きほんテキスト(ユーキャンの資格試験シリーズ)】になります。

資格講座の業界では大手であるユーキャンのテキストということもあり、内容も充実しており説明分かりやすいため、迷ったらこちらを選択するのが良いのではないでしょうか。

 

次に、【2023-2024年版 みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 みんなが欲しかったシリーズ】

シンプルで分かりやすく、全てのページに色がついているため視覚的にも理解しやすい一冊になっています。なるべく易しい言葉で説明もされているので初めて学ぶ方にとってはもってこいではないでしょうか。

私の周囲でも、FP3級の参考書では上記2つのどちらかを使っている人が多い印象です。

FP3級の勉強におすすめの問題集

ここではFP3級の勉強におすすめの問題集を紹介致します。

まず一つ目がこれだけで完成!’23~’24年版 ユーキャンのFP3級 きほん問題集【オリジナル予想模擬試験つき】になります。

先ほど紹介したユーキャンの参考書の問題集バージョンにあたります。こちらもFP3級をしっかりと分析されて作成されている問題集のため頻出問題も多く掲載されています。

オリジナル模擬試験もついているので、こちらで合格ラインに到達できるまで練習することもできそうですね。

次に、【みんなが欲しかった! FPの問題集 3級 2023-2024年】もおすすめです。

こちらに掲載されている問題は全てFP3級の本試験で過去出題されたものになっているため、本番同様のレベル感で練習問題を解いていくことができます。

「市販の問題集と本番試験で難易度がちがう!」といったことは資格試験あるあるですので、こうした事を避けたい方はこちらの問題集もオススメですね!

 

今回はFP3級の難易度・取得のメリット・勉強方法・勉強時間・おすすめの参考書について解説していきました。

FP3級は難易度としては易しいものとなっていますが、油断せずしっかり対策していくことが大事でしょう。

 

著者情報

証券会社に就職後、メガベンチャー企業に転職。就活生及び転職者向けに金融業界の就職対策や働き方について発信しています。保有資格は証券外務員1種・証券外務員2種・AFP。

目次
閉じる