【証券内定者必見】入社前に勉強すべきこと ~資格編~

証券会社の内定者向けに、入社前に学習すべきことを説明していきます。
今回は資格編です。証券マンとして必要な資格とそうでない資格がありますので、その点について説明しようと思います。
資格取得後に不必要な資格だったと後悔しないようにしましょう!

取得すべき資格試験

まずは取得すべき資格試験についてです。

証券外務員一種・二種

まずは証券外務員一種・二種の資格です。
内容としては金融商品取引法・金融商品販売法・消費者契約法など金融商品(株式や保険など)を販売する上でのルールが中心になります。これを保有していなければ証券会社に勤務する事ができませんので、必ず取得する必要があります。また、昨今の証券会社ではコンプライアンスについてかなり厳しくなっているため、このコンプライアンスのベースとも言える金融商品取引法やその他法律の項目については念入りに勉強しましょう。必要な勉強時間は80〜100時間と言われていますので、1日3時間を1ヶ月続ければ合格を目指せるでしょう。

受験方法については基本的は各証券会社から内定者にむけて案内がくるはずですので、皆様が自分で申し込む必要はありません。

FP2級

次にFP2級の資格です。
内容としてはライフプランニングと資金計画・リスク管理・金融資産運用・タックスプランニング・不動産・相続と事業承継の合計6項目あり個人資産に関わるものが中心になっております。最近の証券会社では株式などの運用だけでなく、こうした個人資産に関わるもの全般を扱うようになっております。一年目から顧客に対して相続対策の提案を行ったり、決算対策で法人税の税額を軽減するための提案がザラに行われています。提案が必要になったタイミングで勉強をはじめても間に合いませんので、こちらも入社前に勉強しておきましょう。

また、FP2級を受験するためには以下の条件のどれかを満たす必要があります。内定者期間ですと、「三級検定の合格者」または「日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者」のいずれかの条件が必要でしょう。どちらにも該当しない場合は後者であるAFP認定研修を修了した方がはやくFP2級の受験に進めると思います。いずれにせよ、それなりに時間が必要になるので早めに準備しましょう。

出典:受検資格と申請方法 | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)

証券アナリスト一次

次は証券アナリスト一次の資格取得です。こちらは証券外務員のように働くにあたって必須ではありませんが、マーケット部門やインベストメント・バンキング部門などの本部を狙う上では重要な資格になります。また、リテール営業を続けていく上でも、ある証券会社では役職をもらうために必須の資格と位置付けられており、本部でも営業店でも証券会社にいる限りは重要視すべき資格になっています。内容は財務分析やコーポレート・ファイナンスなど企業の財務情報に関するものが中心になります。必要な勉強時間は200時間とも言われており難易度が高いです。ただしその分希少価値も高いと言えます。受験機会は年に2回しかなく、事前の講座受講も必要になるため、興味のある方は早めに準備しましょう!

TOEIC

最後にTOEICのスコアです。大手証券会社ですと海外駐在などもキャリアの選択肢に設けられているため、そういったキャリア形成を目指す方は高スコアを取っておく必要があります。目安ですが850以上取れていると海外が視野に入ってくるイメージです。ただし、日常業務において英語を使う機会はまずないため、本気で海外駐在を狙う方以外にはあまりお勧めしません。また、海外駐在を目指す方にとっても、TOEICは必要最低限の資格であり、それ以外にリテール営業で結果を出したり、そもそも高学歴であることなどが重要視されるため、そういった位置付けの資格であると認識しておく必要があるでしょう。

取得する必要性が低い資格

ここでは証券会社において保有していてもあまり評価をしてもらえない、必要性の低い資格について取り上げていきます。勉強を検討している方は今一度ご参考ください。

宅建など不動産関係の資格

まずは宅建のような不動産関係の資格です。上記にて最近の証券会社は不動産も扱うようになっていると説明しましたが、まだまだビジネススケールとしては小さいものであり、数ある商品の一つであるという状態です。また不動産部署のようなところには不動産会社から転職してきた中途採用者が中心で構成されています。つまり、まだビジネスとして充実していない不動産部署に新卒を育てる余力は存在せず、新卒リテール営業で不動産に特化した人材というのは現段階では会社にとってニーズがないのが事実です。そのため、不動産関係の資格は優先順位として低いものになります。

簿記などの会計系の資格

こちらも社内で昇格していくうえで不必要と言えます。
理由としてはリテール営業の顧客が基本的に経営者個人や医者などあくまで個人に対してであり、法人に対してではないからです。そのためやはり簿記のような法人会計知識よりもFPのような個人資産知識を持つ人が重宝されます。

ただしもちろん法人に対しての提案を行うこともあり、そうした場合には簿記の内容も不必要ではないので、勉強して損することはありません。また、同じ会計系資格でも簿記ではなく米国公認会計士や公認会計士の場合だと社内でも重宝されるため、こういった資格であれば目指す価値があるでしょう。

まとめ

内定者が学習しておくべき資格とそうでない資格について解説致しました!
あくまで基本的な証券マンライフを送る上での見解であり、各々で目指すべきキャリアがある方はそれに従って学習を進めるべきだと考えています。最後までお読みいただきありがとうございました。

また、資格関連だけでなく実務の勉強に関してお悩みのある方は【証券内定者必見】入社前に勉強すべきこと ~実務編~是非こちらの記事をご参考ください!

著者情報

証券会社に就職後、メガベンチャー企業に転職。就活生及び転職者向けに金融業界の就職対策や働き方について発信しています。保有資格は証券外務員1種・証券外務員2種・AFP。

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